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日記です

定時制高校、初日

10月1日、学校へ向かう。台風が去って天気は快晴だった。学校への道のりが最寄駅と2分ほどしか変わらないので、一駅分歩いた。初めて歩く道だった。ポカポカしていい気持ちだった。大きい枯葉がコンクリートの上をズーズー擦っていた。車の通りが少ない。かっこいいバイク屋さん、いい感じの喫茶店。上を見上げたら旗のようにバサバサ揺れる青いビニールシート。女子高校生が団体で学校へ向かっていた。可愛い制服で、すこし羨ましかった。小学校の横を通った。大きな窓の向こうに生徒たちがいた。わたしもこんな風だったのかもしれない。こんな風に高校も過ごしたかった。自分で選んだものの何となく納得いかない服を着て歩く。自分の今日のコーディネートのことを考えるとソワソワする。いや今日のコーディネートて!!コーディネートって言うのもなんか恥ずかしいわ!!!オシャレになりたいな。…そう、わたしはこれからなんだ。これから高校生活を送っていく。あの生徒たちの中にも、苦しいことやつらいことを持っている人はいるはずだ。なのに、なんだか羨ましくなった。たぶん、天気が良いからだ。この絶好の天気があの教室を良く演出していたんだ。そういうことあるよね。あるある。ところどころに喫茶店がある。オシャレだ。ここは都会なのかしら。もし、もしもの話だけど、友だちとお茶できたら素敵だな。そんなこんなで、学校に着いた。

図書館の紹介をしてくださった。図書館は新しい本もたくさん置いてあって、わたしはここに通いつめようと大まかな計画を立てた。次に校舎案内。8階建ての校舎。ややこしい。少し古びた高校だ。渡り廊下がある!渡り廊下を渡ったとき、感動を覚えた。憧れだった渡り廊下。後から外から見ても渡り廊下は最高だった。うわ、サボれそうな階段がある。隠し階段じゃないこれ。こんなとこの階段使う人いるの?これもうサボれるやつじゃん。サボる度胸ないけど!ここで友だちと語りてえ!!そうそう、体育館のこと、アリーナって呼ぶんだって。「アリーーーナーー!!」と叫ぶ浜崎あゆみが脳裏に浮かんだ。ひとりで興奮した。校舎案内の間、いっしょに周っていた同じクラスになるらしい人たちとは、一言も話さなかった。教科書で重たくなったリュックを背負いひとりで帰った。べつにひとりは気にしないが、時々だれかと帰って、喫茶店に寄ってみたい。

話は続き、10月2日。入学式。桜のない入学式。またまた納得いかないコーディネートのわたし。私服で行くので余計にソワソワしたが、みんなカジュアルな格好で安心した。長い長い式を終えて、教室へ移動しHR。担任の先生は、校舎案内をしてくださった背の高いメガネをかけた男の先生だった。HRが終わったら、お昼休憩をして健康診断だ。食堂でお弁当を食べる。周りはグループができていたり、ひとりの人もいたり。のんびりと、母が作ってくれた、ちょっとだけ気合の感じるお弁当を食べた。そこに、女の子がやってきた。「おじゃまします」といって斜め向かいの席へ座った。それから何となく話が進んでいった。違うクラスだった。美空ひばりウルフルズを聴くらしい。老人ホームの介護のアルバイトを経験していて、介護が好きで介護の本も好きだという。同い年にこんな人がいるなんて。どんより感のいっさいない人で、サッパリした表情や話し方が気持ちよかった。同じクラスで少し話をしたお洒落な女の子がやってきて、3人で話をした。健康診断はみんなバラバラでやった。

健康診断が終わり校門を出ると、2人が一緒に帰っていた。2人がわたしに気づき、手を振ってくれた。「どこの駅?」と訊かれたので、駅名を答えると「わたしたちこのまま〇〇行くねん」と返ってきた。「へ、へえ…いいなー!」と無理に言葉をひねり出した。このとき内心は「今日初めて知り合ったんでしょ?!飛び級しすぎじゃない?!凄すぎない?!」と思っていた。言い終えてからも無駄な笑みを浮かべていたら、「一緒に行く?」と言われた。心の中でその言葉が高速でリフレインした。わたしは1.5秒後に「いいの?!」と言った。3人で〇〇に行くことになった。〇〇と伏せているのは、なんとなく身バレというものをするのではないかと恐れているからである。〇〇が分かるかもしれないが、このブログを読んでくださっている人はとても少ないので、大丈夫なはず。

〇〇へ向かいながら3人で話した。2人はお話が上手だった。よくそんな返しをできるなと感動した。わたしは返す言葉が見つからなくて、「そうなんだ!」などで終わる。なんとか頑張るが、ぜんぜんヒットしない。途中で「これ前の高校のときと同じパターン」と気づき、まぁどうせ気があう人は気があう人同士でくっつくんだから、いま頑張らなくてもいい。と自分を励ました。だが、それでも自分は頑張った。

〇〇に到着し、散策をした。お店を見たり、食べ歩きをしたりした。お店の中に入り、3人でチーズドックを食べた。これがあのチーズドックなんですね。感動。チーズドックのチーズは思いのほか伸びなかった。あまり美味しくなかった。LINEとツイッターを教えあった。この先をすこし不安に思う自分がいる。喫茶店に一緒に行く友だちは欲しいが、やっぱり、ホップステップジャンプ的な、段階を踏まないと。けれど、2人と出会えてよかった。深くは知らないが、2人は素敵だ。2人でなく、友だちと書けるようになる日は来るだろうか。来なくてもいい。常に緊張と不安と隣り合わせだったが、楽しかった。

家に帰りツイッターを開く。フォロワーが2人増えている。あれは夢ではなかった。呟きたいことがあっても呟けない。いや、そんなことを気にする必要はない。なんでそんなビビってるんだ。なんも悪いことしてない堂々としろ。自分の過去のツイートを確認するな!!見られてもいいだろ!!

2人は明るくて可愛くてかっこいい。なにより惹きつけるものがある。こういうところが好かれているんだ。凄いな。わたしには惹きつけるものは無いと思う。わたしはどんよりしているし、話し方も話す言葉もふにゃふにゃしている。話す言葉がふにゃふにゃすることは、本当に良くない。意思も確信も想いもこもっていない言葉を発するからそうなるんだ。黙っていたいが、黙るのも怖い。2人にビクビクしてしまっている。失礼だろ!!!どうしたら、緊張しなくて済むのだろう。住む世界が違うと思った。2人以外の人に対しても、住む世界が違うとよく思うことがある。住む世界は違うのかな。その人たちにも苦しいことやつらいことはある。楽しいことだってある。もしかすると同じことで悩んでいるかもしれない。それが分かりづらいことや、知ることのできないことが悲しくなることがある。住む世界が違うと思ってしまうのは何故だろう。同じようなところに住んでいるなと思う人もいる。なんだか自分が嫌になった。こうやって線引きをしてしまうのが、嫌だ。

これからだ。これから高校生活がはじまる。いろいろな人との出会いや発見があるだろう。勉強もできる。気が合わなくてもいい。苦手だと思ってもいい。だが除外はすんなよ!!シャットアウトするな。一緒に生きろよ。その人のこと考えてみよう。想像しろよ。勉強も苦手だからとか言うのやめろよ。勉強は遠ざけるな。わたしはこれからのわたしをつくっていく。明日に向かって、はやく寝ろっての!!

みなさん、ここまで読んでくださって本当に本当にありがとうございます。おやすみなさい。