ぬくめる

日記です

亀吉〜〜!

一緒に暮らしていて唯一気が合うのは、亀吉だ。亀吉はカメだ。亀吉のほんとうの名前はドイル。名探偵コナンに心酔していた姉がつけた。飼いはじめた本人である姉がドイルの世話をしないので、わたしは亀吉と名付けた。といったら、亀吉とわたしは親密だと思えるかもしれないが、わたしもロクに世話をしていない。でも、これからちゃんとしていこうと思う。

亀吉は500円だった。小さな水槽にもっと小さなカメが押し詰められて、満員電車のようだった。姉とわたしで二匹かった。わたしは、水槽の手前で溺れているかのように泳ぐカメにした。姉は、他カメ(他人的な)の甲羅に手をついて、堂々とこちらを睨むカメを選んだ。

わたしはチロルと名付けた。チロルは亀吉とは違って、水槽の隅でじっとしていた。そして死んでしまった。その時もちゃんと世話をしていなかった。自分に泣く資格は無いと思いながらも、半日ずっと泣いていた。カメを飼ったのはチロルで二匹目だった。死なせてしまったのにもかかわらず、もう一匹かってしまって、また死なせてしまった。植物もそうで、種を蒔いたのに一つも芽をださなかったことがある。育てちゃいけないかもしれない。

亀吉は、それからよく生きた。いまも生きている。とくにお母さんが熱心に世話をしている。何度も甲羅を脱皮して、大きくなった。

一緒にいた時間は、わたしが一番長いと思う。学校に行けていない日が多いから、「どうしようどうしよう」と焦ったり泣いたりしているのを亀吉は窓ガラス越しに見てたりする。家でひとり葛藤しているときに亀吉を見ると、わたしゃお前だけが友だちだよ…と勝手に思ったりする。

友だちなわけがない。世話もろくにしていない。友だちになりたい。亀吉、これからめっちゃアプローチかけていくから、引かないでね。